2004-11-13 ■ 映画 『砂と霧の家』を観る。 良い映画だ。だけど他人には薦められない。 重いもの。後味が悪いもの。 登場人物に、いわゆる悪人はいない。 しかし、一つ一つの思惑や行動、ほんの少しのタイミングのずれでしかないものが 悲劇へと収束されていくのだ。 ベラーニ(ベン・キングスレー)も、キャシー(ジェニファー・コネリー)も どちらも同じ立場、共に家を逐われた者であるのに・・・。 さながら怪我をした犬同士が互いに更に傷つけ合っている様である。 善を為すのに悪を用いた事のある警官がでてくる。 あるときは有用であったその手段も、今回は事態を悪化させる。 善意の上の振る舞いであった筈なのに。