『第23回 つくしんぼ落語会』に行く。
 
かなりの入り。
小演芸場には補助席が出され、それでも足りず、暖簾を外し、からくり劇場にまで席を設けることになった。
混雑をどの時点で予想されたのかは知らないが、最初からからくり劇場の外で受付を行った。
 
まん我さんは「たいこ腹」。
テンポは速いが、やや安定感が物足りない。
噺をご自分のものにしきれていないように見受けられる。
今後に期待。
 
つく枝さんの一席目は「みかん屋」。
みかんが二百個であることで、値段の計算のやり返す部分がない。
そのため、主人公徹頭徹尾昼行灯な人物に描かれている。
こういうのも良い。
ただ、男が既婚なのか未婚なのか統一しきれていないようなのが、残念な傷であった。

甚「その上、見た分で、女房子供を養うねんや」
男「ちょちょちょ、あんたにそないゆわれたらかなわんわ」
甚「なにがや?」
男「わたい、一人もんでんがな。あんたもよぉ知って・・・」
甚「違うがな、昔からの言い回しやがな。別に、おまえの場合、母親をやなぁ安心させるんでもええがな。一人前におまんま喰うていくことをやなぁ」
男「わたい、めし、三人前喰う」
甚「やかましい! さっさと行ってこい」

こんなのでもいいから、オチを変えずに整合性を保ってあればと所感した。
 
紅雀さんは「向う付け」。
主人公の、素っとぼけでありながら皆に愛される人柄が伝わってくる。
 
つく枝さんの二席目は「七度狐」。
「煮売屋」の銘酒のあたりから始まった。
喜六の頼りなさを強調した、へまの駄目押しを重ねる演出が最高に可笑しい。
 

  • 桂まん我    「たいこ腹」
  • 桂つく枝     「みかん屋」
  • 桂紅雀     「向う付け」
  • 桂つく枝     「七度狐」