『カシミヤ落語会』
『第4回 カシミヤ落語会 笑福亭たまのカシミヤ100%』に行く。
今回はゲストに吉坊さんを迎え、お囃子のレクチャーもおこなわれた。
舞台には大太鼓と締め太鼓が据え置かれていた。
たまさんは、一番太鼓等を解説を交えながら演奏した。
パンフレットには「お囃子紹介」とだけ記されていたが、その後に「手水廻し」も演じた。
「船弁慶」の演出が相変わらず楽しい。
お松さんが通い船で川市丸へと向かう様子が、映画のカットバックさながらの表現で演じられる。
ハメ物も、登場人物が変わるたびに変化する。
大変素晴らしい。
吉坊さんは「かぜうどん」。
師匠の十八番のネタであるだけに感慨深い。
中入りをはさんでの、たまさんは「皿屋敷」。
以前聴いたのとは、変更されている。
親っさんが語る怪談の件。
前は、鉄山がお菊の幻影と彼方此方で対峙するという基本の型であったが、こちらでは、鉄山の耳には皿を数えるお菊の声が聞こえ続ける演出になっている。
「九枚」にお菊の怨念が籠もる要因が強調されている。
映像に加え、音の要素が演出に取り入れられている。
一つの噺が推敲されていく課程に立ち会える。
一ファンとして嬉しい。
「かぜうどん」を引いたくすぐりも楽しい。
夏の噺、冬の噺、夏の噺と、焼き豆腐を想い出すような構成であった。