『三幸、さん都の「さん三の会」』

 
『第2回 三幸、さん都の「さん三の会」』に行く。
 
ちょっと変わった落語会。
 
始まる直前、録音のお囃子が流れたのだが、なんか色々と間違っていたりした。
それに対して、お客さんの一部が失笑したり...。
 
まず最初に、スーツ姿の三幸さんとさん都さんが登場。
本日だけ上方落語協会の会長になった態の三幸さんと、その秘書のさん都さんだ。
今日の会の趣旨を説明。
第一部は落語三席。
その後の第二部が今回の企画。
会長の三幸さんと秘書のさん都さんらが、法案を提出。
会場のお客さんの賛同を得られたら、繁昌亭の恩田支配人にそれを提案するという。
どうなるのかしら。
 
まずは第一部、落語の部。
松五さんは「ちりとてちん」。
今が旬な噺ということだが、ひさしぶりに高座にかけるという。
構成は古典的な感じ。
下司の謗り食いを実践。
 
三幸さんは新作。
家業の漁師になることを嫌って、相撲取りになった青年の話。
もう少し言葉が整理された方が聴きやすいのだが。
飽くまで言い間違いなのだろうけれど、父親を「お前」と呼んでしまうのはどうも聞きづらい。一度でないだけに。
 
さん都さんは「ろくろ首」。
前回の「さん三の会」にかける筈だったが間に合わなかったので、その日は「みかん屋」になってしまった。
今回はそのリベンジ。*1
なかなかなかなかなかなかの熱演。
 
仲入りの後、第二部。
スーツ姿に再びお色直しの三幸さんとさん都さん。
お二人に続いて、笑福亭松五さんと桂咲之輔さん、笑福亭たまさんが登場。
松五さん私服、咲之輔さんは私服の上に上方落語協会の法被。
たまさんは着物姿なのだが裾からはズボンと靴下が見える。
着物は松五さんから借りたものだそうだ。出演は予定になかったのだろう。
三幸さんやさん都さんが法案を提示し、それに残りの四人が賛成か反対を表明しディベート、それに伴いお客さんから賛否を募るというのが今回の仕掛け。
 
一つめの提案、三幸さんの「弟子入り制度廃止法案」。
弟子入りなどは止めてしまって、NSCのような噺家養成学校制にしてしまうというもの。
法案提出者の三幸さん以外の四人が反対。
議論の末、たまさんにより論破され、お客さんからも賛成は得られず、廃案に。
次の提案は、さん都さんの「落語するのに羽織いらんやろ法案」。
こちらも、さん都さんのみ賛成。
お客さんからの賛同は無し。廃案。
フィギュアスケートの肌色のタイツ禁止法案」「東淀川駅に特急止まれ法案」と出オチな小ギャグ。
続いては「ちりとてちんにみんな出して法案」。
ドラマ『ちりとてちん』に総ての落語家を出演させろ、という法案。
出たい人もいれば出たくない人もいるだろうから、と有耶無耶に。
ここで、さん都さんの零れ話。
先日、京都での落語会で、出番の合間に吉弥さんと町にでたさん都さん。
観光客が吉弥さんを見つけて、「あ、ちりとてちんや、ちりとてちんや」と、吉弥さんを「ちりとてちん」と呼んで写真を撮っていたとのエピソードを話された。
そこで急遽提出されたのが、「桂吉弥『桂ちりとてちん』襲名法案」。
いくらなんでもそれは出来ないので、吉弥さんに『桂ちりとてちん』の名札を付けて貰って写真をとるという話に。
実現するのだろうか?
松五さんからは「一門の移籍を導入する」という法案。
プロ野球のトレードのように、一門間の移籍を自由にするというアイデア
これまた、当人以外の支持は無く廃案に。
ただ、東京落語のように、真打ちになる前に師匠が亡くなったら別の噺家さんの預かりになるという制度を設けるのはどうか、という現実的な話も出る。
「オリンピック競技種目に落語を法案」「高速道路に繁昌亭出口を作れ法案」「クッ八いらんやろ法案」などのネタ法案も。
最後は「木戸銭後払い制度導入法案」。
まず先に500円払い、内容をお客さんが評価してさらに追加して料金を支払うのはどうか、という提案。
たまさんから、そういったやり方を実践している九雀さんの会の実情が話された。
結局、当の「さん三の会」でやってみることが提案され、お客さんからは賛成多数。
次回の「さん三の会」で、入場料1000円、後はお客さんの満足度によって追加という次第に。
第3回は4月19日の予定。果たして?
 
会がお開きになったのだが、追い出しが鳴らない。
MDの操作役であるさん都さんが、うっかりまだ舞台に居たため。
お囃子は終始ぐだぐだであった(笑)。
 

  • 笑福亭松五      ちりとてちん
  • 桂三幸         「あなたになら言える今日のこと」
  • 桂さん都        「ろくろ首」
  • 三幸 さん都      マニフェスト「三幸の 私が「協会会長」になったら」

*1:前回の『さん三の会でのさん都さんの演目、「みかん屋」は間違い。正しくは「池田の猪買い」でした