フジハラ亭

 
『フジハラ亭落語会 vol.13』
 
盛況だ。
予約分で一杯になったそうだ。
客層としては若い女性が多い。
吉の丞さんのまくらで「この会は○○なんで(落語が)やりやすい」というのを重ねていくお馴染みの型をされていた。
その一部で「私、二十三歳なんですけども、お客さんの中に可愛いなぁ綺麗やなぁっちゅう女性(ひと)がいると、その女性(ひと)が気になって気になって落語をついつい忘れる事があるんですけども、もう今日はその点、丁度やりやすい」という件があった。
勿論、定番の型なのだけれど。
今日のこの会については、異を唱えたい。個人的に。
 
楽屋、といっても一枚の幕の向こう側からだが、話をする声が聞こえてくる。
たまさんの声はすぐ解る。
お手伝いに来ておられるのだろう。
内容は落語に関する話だった。
落語に対して真摯なのだなと感じる。
 
吉の丞さんやしん吉さんの噺で、たまさんの笑い声が漏れ聞こえてくる。
落語が好きなんだなと思う。
 
都丸さんが、まくらで、この頃の噺家は殆どが大学出との話題をふる。 
一節に「中には京都大学出身のド阿呆が出て参りまして」と。
たまさんの事だ。
洒落だ。
本人がすぐそこにいて聞いているからこその。
お客さんはどれだけ気づいていただろうか。
 
しん吉さん、電車の線路柄の手拭いを新調されたそうだが、一度現物を拝見したいものだ。