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『天満天神繁昌亭 こけらおとし公演 千穐落 二回目』に行く。
十日間の『こけらおとし公演』もいよいよ最終日。
当たり前のことなのだが、南森町のあたりで噺家さんをお見かけする機会が増えた。
第一回目の公演の出番が終わり、どこかへ行かれる右喬さん。
今日一日、下座のお仕事がある生喬さんの、昼食帰りの様子。
二回目から、出番と笛のおつとめもある吉弥さんが、繁昌亭に向かわれる姿。
そういうスポットですな。
先日、文春さんが亡くなった。
繁昌亭での初登場を間近に控えての逝去であった。
残念なことである。
代演は、兄弟子の珍念さんが務められた。
普段は中入りの後に、口上が組まれている。
この第二回の公演に限り、口上が最初におこなわれた。
文春さんの話題に触れることで、どうしても雰囲気が湿るからであろう。
口上の司会はきん枝さん。
二階席のあたりにカンペらしきものが。
全員の顔と名前の一致が心許ないようで。
一人目は八光さん。
持ち時間は短い筈なのに、まくらをふりだしたので、おや、と思った。
十分の内、半分以上まくら。
「動物園」のあらすじをざっと説明し、檻の中あたりから噺を始めた。
まくらで、持ちネタが三つしかないと言っていた。
八光さんが先週ゲストで登場したラジオ番組によると、その三つとは「狸賽」「犬の目」「動物園」であるそうな。
「秘伝書」「七度狐」「宿屋町」も一応出来るとの事。
あとは「始末の極意」が三割方出来、「ちりとてちん」を南光さんにつけてもらっている最中である様だ。
吉弥さんは「ふぐ鍋」。
やはり持ち時間は短いので、まくらは無し。
きん枝さんは「狸賽」。
男の家での、賽子の目の遣り取りが面白い。
代演の珍念さんは「時うどん」。
文春さんの得意だったネタをかける。
春駒さんは「はてなの茶碗」。
噺の流れが良いのは、演劇でも鍛えられたからであろうか。
米平さんは「たけのこ」。
短い演目を選ばれたのは、時間調整の意味もあったのだろうか。
染丸さんは「浮かれの屑選り」。
賑やかな噺を堪能する。