『桂しん吉 春の祭典 '07』

 
桂しん吉 春の祭典 '07 おれスペシャル〜落語を普通にしない会〜』に行く。
 
先週の『ぼくスペシャル』と対の会。
 
舞台左側に、スクリーンが設えられていた。
 
最初は、郡時さんとげんさんのブルース演奏に乗せて落語をするという試み。
楽曲のブレイク時には歌わないという決まり事に合わせて、まくらや小咄もブルースのテンポに乗せて話す。
耳馴染みのあるネタも新鮮に聞こえる。
 
「今までに世に出ることのなかった噺」は、古典のアレンジや洒落の連続小咄。
前半は「さぎとり」「三十石」「京の茶漬け」「かぜうどん」「くしゃみ講釈」「鯉盗人」「犬の目」などが題材となった。
元ネタをアレンジしたもの、関連の無いもの、様々。
その都度、サイドのスクリーンに外題が映し出された。
 
「おじいちゃんの謎。」は、カキノジンさんの本『ガリガリ絵はんこ帖』に掲載された作品(判子版画)の数々にお話をつけたもの。
こちらもスクリーンにて判子の画像が投影されながらの口演だった。
 
「鉄道に関するいくつかの疑問」はクイズ形式。
スクリーンは問題文、音声でも読み上げられた問題に、しん吉さんが回答するというもの。
もちろんガチのクイズではなく、ネタとなっている。
「戦う!らくご家超特急2」にて、阪急電車になりたいと仰有っていたしん吉さんならではの演目。
 
予め、お客さんから募集しておいた御題、というより台詞やフレーズそのものを選択。
しん吉さんが無作為に抜き出した始まり・半ば・終わりそれぞれの候補三点、計九点から、げんさん、三味線の勝さん、郡時さんが各々一つずつ選んだ。
 
しん吉さんが考えるその間、ビデオ映像が流された。
しん吉さんが幼い頃住んでいた瑞光への行脚。
先ずは阪急電車上新庄へ。
かつて一家が暮らしていたマンションや、しん吉さんが通っていた幼稚園や学校、子供の頃遊んだ場所などを巡る。
帰りは新しい地下鉄今里筋線にて瑞光を後にした。
 
三題噺でなはく、クロスカントリー落語。
御題ではなくて、最初と真ん中と最後のフレーズを経由して噺に纏めるという形式。
「最近恋したのはいつですか?」「やっぱりたい焼きは白あんより黒あんですよね」「ようすりへってます」を織り込んで演じた。
 
「今までに世に出ることのなかった噺」の続き。
「三十石 その2」「はてなの茶碗」「掛け取り」「牛の丸薬」「牛ほめ」「どうらんの幸助」「宿屋仇」「兵庫船」がラインナップ。
 
まず普通に「中の舞」を演奏。
変わった形の俎板の上にて、リンゴの芯抜きと包丁を使ってニンジンとキュウリを加工。
郡時さんとしん吉さんが、野菜で笛を作り上げる。
能管の替わりに野菜笛を使い「中の舞」を演奏した。
 
新作落語は、地方に行った落語家がもらった用途のわからないお土産を題材に、事務所のえらいさんや先輩の噺家さんのモノマネを交え、スクリーンにも映像を映しての作品。
等身大というか、セミドキュメントなお噺。
 

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  • 桂しん吉                「鉄道に関するいくつかの疑問」
  • 桂しん吉 宮村郡時 げんさん   御題選択のお時間
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