『ストリングス 愛と絆の旅路』

 
『ストリングス 愛と絆の旅路』を観る。
 
物凄い世界観。
人間が操り人形。
マリオネットを使った劇映画はこれまでにもあった。
マリオネットを操作する糸は(有るが)無い物として了解されているのが約束事であったが、今作品では「糸」も世界に実際に存在し極めて重要な役割を担っている。又、「糸」が表現する事象も大事な要素だ。
歌舞伎に登場する蝶や鳥は、それそのもののみが実在すると認識される。
『ストリングス』の世界でそれを言うなら、蝶や鳥、それに連なる差し金を含めたものが蝶・鳥という生物として存在する事になる。
『ストリングス』の世界には屋根は無い。
ゲートは扉のように閉まるものではなく、地面から上に上がるバーとなっている。
従来から有るマリオネットという表現形態が、視点を変える事で、天空に消える糸に連なるヒトガタという独特な発想となっている。
 
ストーリーも、流石にデンマークの映画、しっかりとハムレットしている、というのは陳腐な解釈に過ぎるか。