『たまのお囃子のお噺』
『たまのお囃子のお噺』に行く。
今日は雨。
開場時間が繰り上がった。
天候が良くない時など、外に並ぶのは難儀な思いをする。
こんな日は、たまさんが気遣って早めに開場してくださる。
有り難いことだ。
まずは寄席囃子の紹介コーナー。
舞台には、吉川絹代さんの三味線と、呂竹さんの太鼓二種、佐ん吉さんの笛と鉦が。
司会役はたまさん。
一番太鼓、二番太鼓、バレ太鼓を実演。
出囃子の例として春團治師匠の出囃子。
ハメモノでは雨や雪の効果を演奏、雪の場面の実例として「池田の猪買い」の一場面を実演。
ヒュ〜ドロドロも「皿屋敷」にて。
落語の一場面はどちらもたまさんによるもの。
最後に「石段」を演奏。長めの「石段」の間に幕が閉じ、その間に舞台上が片付けられ、ひろばさんの出番へ。
ひろばさんは「動物園」。
トラの着ぐるみを着る箇所、着物の裾と舞台の板が擦れ音が鳴る。
その音が着ぐるみに身体を押し込んでいる様に、妙にマッチ。
ひろばさんは、ファスナーを揚げるのにかかる時間が他の方より長め。
これも合っている感じ。
たまさんの一席目は「船弁慶」。
今日の演目は、ハメモノの入るものを主眼に選んである。
「あついわーい」「ちべたいわーい」が多目。
お松さんが川市丸へ向かう場面は短め。
雀松さんは「紙入れ」。
まくらで、たまさんを色々誉めるが、着物のセンスだけは腐してオチに。
なんとなく共感の笑いが起きる。
そんな風に感じてらっしゃる方が結構おられたか。
たまさんの二席目は「SMELL」。
舞台に登場したたまさんの着物の柄はハローキティ。
会場に起こる、たまさんへの拍手が長め。
雀松さんの発言がフリとなって、この衣装での出座がギャグとなった形だ。
「SMELL」は新作だけれど、ハメモノがふんだんに取り入れられている。
今回をもって、「SMELL」は封印となるそうだ。
中入りの後、たまさんと吉川さんの対談。
予め用意してあった質問と、お客さんから募集した質問を吉川さんにぶつける。
最後はたまさんの「愛宕山」。
またもや工夫が加えられている。
山へ登る同勢の様子が、誰も皆上手側斜めに向かう形で演じられている。
ベクトルを感じる。
幇間の一八と繁八の性格の差が出るように、役割の振り方も微妙に整理されている。