『池田で亥会』
『池田で亥会』に行く。
昭和四十六年の亥生まれの噺家十一人による落語会。
六年前に梅田で開催された『梅田の亥会』の続編。
最初に十一人の噺家さんによる口上。
口上というより、小学校の卒業式の割台詞のような演出。
リード役は順に交代。
前座は佐ん吉さん。
皆とは一回り下の亥年生まれの佐ん吉さん。
所作の大きい減り張りの効いた「いらち俥」。
阿か枝さんは「竹の水仙」。
きっちりとしている。
吉弥さんは「胆つぶし」。
この噺を聴く度に思う。
病気の男のその後はどうなったのだろうかと。
三ノ助さんは「天狗裁き」。
あまり良くない出来。
よね吉さんは「皿屋敷」。
車屋敷へ向かう若い衆の反応が面白い。
歌之助さんは「壺算」。
登場人物のそれぞれの色がはっきり出ている。
まん我さんは「桜の宮」。
何故か春の噺。
由瓶さんは「はてなの茶碗」。
油屋さんの出身が丹波になっていた。
三金さんは「鯛」。
いつもの自己紹介などは敢えて省略。
三弥さんは「読書の時間」。
三金さんのお母さんがいらっしゃるごく近くで聴く、噺の登場人物"奥野君"の件は妙な感じ。
染左さんは「写真の仇討ち」。
あまり演じられることのない珍しい噺と断った上で。
噺の後、奴さんを踊る。
トリは紅雀さん。
季節外れだけれど、折角なので「池田の猪買い」を選択。
屋外から漏れ聞こえる蝉の声を聞きながら、冬場の噺を楽しむ。
会は七時終わりの予定だったが、とんとんと進み、六時に終演。