『楽茶会 〜落語とお茶で一席〜』

楽茶会

 
『楽茶会 〜落語とお茶で一席〜 第一回繁昌亭公演』に行く。
 
繁昌亭での『楽茶会』。
開演の一時間前に開場。
ロビーにて呈茶がおこなわれる関係で、余裕をもっての構成。
 
まずは皆さんでご挨拶とお茶道具の紹介。
舞台正面、「楽」の字の額の下方に掛け軸が。
揮亳されているのは扇面に「寿・限・無」の三文字と、書いた方の署名。
「寿」を書かれたのは桂春團治師匠。
「限」の字は桂文枝師匠の手による物。
「無」は桂米朝師匠の筆。
落語ファンからすれば、えらい代物。
 
落語の一席目は染雀さんの「金明竹」。
今日の会のお噺は、茶に因んだものという企画。
使者の口上には、刀剣の類と一緒に、茶道具などが出てくる。
 
生喬さんは「しびんの花活け」。
表情の変化で、道具屋さんの心境の移り様を明瞭に表す。
この噺は趣旨からちょっと遠いような気がする...。
 
春雨さんは「崇徳院」。
あっさりとした感じ。
この噺に出てくるのは、お嬢さんのお茶会か。
 
これまでの三席はお茶の要素が薄いように思える。
後日の為に敢えて残しているのだろうか。
 
仲入りの後、コント。
狂言の「宗旦狐」を元にしたもの。
口上役はあやめさん。
宗旦は染雀さん。
宗旦の弟子に生喬さん。
贋者の宗旦が春雨さん。
染雀さんと声質の似ている春雨さんが、贋者役というのもぴったりか。
軸が掛け替えられていた。
「本来無一物」、禅宗の言葉。
慧能大和尚だっけ?
 
トリのあやめさんは「NIPPON茶茶茶!」。
この日のためにあつらえたような、あやめさんの新作。
掛け軸は再び「寿限無」に。
 
客層が普段と少々違う感じ。
お茶を嗜んで居られる方が結構来られているようだ。
そういう方々は噺の中の受けるポイントが違う。
というか、多い。
「NIPPON茶茶茶!」で、特にそんな風な印象を受けた。
業界受けといった感じだ。
 

  • あやめ 染雀 春雨 生喬    ご挨拶とお道具紹介
  • 林家染雀             金明竹
  • 笑福亭生喬           「しびんの花活け」
  • 桂春雨              崇徳院
  • あやめ 染雀 春雨 生喬    コント「宗旦狐」
  • 桂あやめ             「NIPPON茶茶茶!」(作:桂あやめ)