『あがき』

 
『第43回 あがき』に行く。
 
今年一回目の『あがき』。
 
まずは佐ん吉さんの「手水廻し」。
あまりに長い頭のため視点の定まらない、大坂からのお客さんの様子が可笑しい。
いつも思うのだけれど、頭を回す方向と、それを見るお客さんが手を回す方向は、対峙しているなら逆になるのでないのだろうか。
 
お次は歌之助さん。
「歌之助」を襲名されて、ほぼ一年。
今年来た、某噺家さんからの年賀状では「桂歌々志」となっていたとの事。
他には「歌乃助」や「歌々助」のものも。
実際に来た年賀状を見せてのトークであった。
 
前回からの、『あがき』で新作落語を作り上げるという企画「みんなでつくる新作落語」。
前回ではアンケートにより落語の登場人物を募った。
今回、そこから選んだ主人公は「赤ちゃん言葉を喋ってしまう総理大臣」。
今回のアンケートでは、その後の展開に繋がるシチュエーションを募集。
 
新作落語の冒頭部分を話して、続けて「馬の田楽」に。
お互い丁寧な言葉で話す悪童たちの遣り取りがいつ聴いても可笑しい。
 
仲入りの後、恭瓶さんの「厩火事」。
愚痴を言っていても、相手に亭主を窘められていると、庇ってしまう女心。
揺れ動く変化が良い。
 
歌之助さんの二席目は「道具屋」。
旦那の、あまりにも熱中して自分の世界に没頭している描写が楽しい。
 
2月3日には、繁昌亭で『桂歌之助独演会』も開催される。