『売名高座』

綿飴製造器

 
『第6回 売名高座 〜遊方・花丸・かい枝のチャレンジ落語会〜』に行く。
 
今回の目玉企画は「犬の目」のリレー落語。
「東の旅」なら、これまでにもあった。
「犬の目」のようなそんなに長くない噺を、どのようにリレーするかというのが見物だ。
変わった企画だけに、お客さんもマニアックな層が集まっているようだ。
 
智之介さんは「狸の賽」。
今一つ受けない。
くどい演出が、あまり面白く感じられない。
 
花丸さんは「壺算」。
瀬戸物屋の番頭さんが混乱する様子が楽しい。
 
遊方さんは「公園の幼児ん坊」。
時折放たれるブラックな笑いがスパイスとして効いている。
 
かい枝さんは「胴乱の幸助」。
稽古屋での場面、割木屋の親っさんがこれから京都へ向かおうかという処まで。
 
仲入りの後、いよいよ「犬の目」。
最初の担当はかい枝さん。
目の容態がよろしくない男が、知り合いに相談するあたりを膨らませる。
男が何故か川で流されたまま、次へとバトンを渡す。
 
花丸さんが受け継ぐ。
川に流された男、客席にまで乱入。
男を助けたのは、なんと、釣りに来ていた目医者。
治療したはずの目玉が無くなって...。
 
遊方さんの番。
不測の事態をしのいで手当てが終了。
その後の「副作用」を多目に。
 
リレー落語の準備は、どこからどこまでかの分担と、引き継ぎ部分の説明程度であったらしい。
やや整合性のあやしいところがみられた。
通しての打ち合わせが有った方が良かったかも。
ぶっつけだからこその、スリリングなライブ感はあったが。
次の人への受け渡し方が、投げっぱなしなパートはいただけない。
 
会の前に、極樂商店街のお店を巡った。
お好み焼きとたこ焼きと御手洗団子を喫する。
道頓堀極樂商店街は入場料がかかるのだけれど、落語会の木戸銭には極樂商店街の入場料も含まれている。
道頓堀極樂商店街は入場時に専用カードを渡され、館内での飲食はそのカードに記録され、退出の際にまとめて支払う形式となっている。
落語会のお客さんには、入館無料券が支給される。
となると、入館無料券を使用したら、今日、落語会に来た人であると、運営側にわかるのではないだろうか。
「宿屋仇」での「兵庫の名折れ」のごとく、ただ、入って出るだけでは落語ファンの評判、というか、『売名高座』の評価にかかわりそうな気がして、なけなしの金を少し許り払ってしまった。
気が小さいなぁ。
 

  • 笑福亭智之介     「狸の賽」
  • 林家花丸        「壺算」
  • 月亭遊方        「公園の幼児ん坊」
  • 桂かい枝        「胴乱の幸助」
  • かい枝 花丸 遊方   リレー落語「犬の目」