『桂あやめ独演会』

繁昌亭の屋根の上

 
桂あやめ独演会 〜あやめの花咲くころ〜』に行く。
 
あやめさんの独演会。
 
盛況。
 
まずはさろめさん。
これが落語での初高座。
演目は「東の旅 発端」。
さろめさん、右の袖が気になるよう。
襦袢がしきりに顔を出したがるようで。
こういう場合、ハンカチとか入れておくといいんだけれど。
違うところに気を取られると、得てして覚えているはずの言葉に詰まってしまう場合がある。
心配していたが、さろめさん、無事に噺を終えた。
テンポのムラが無くなれば、もっと聴きやすくなるだろう。
 
客席には、さろめさんの知り合いが結構来られている様子。
楽屋にも、さろめさんの舞台を拝聴すべく、若手の方が何人かいらしていたそうだ。
さろめさんの人徳か。
さろめさんはこの後、高座返し役も。
あやめさんの娘さんである、なごみちゃんもお茶子で登場。
なごみちゃんが座布団を返し、さろめさんが見台・膝隠し・名びらを担当。
お茶子ダブルス態勢であった。
 
あやめさんの一席目は「軽業」。
「東の旅 発端」の終盤を継いで、「軽業」を演じた。
久しぶりに高座にかけたという。
 
舞台に、スクリーンが降りて来た。
何か映像が流されるようだ。
パンフレットには無かった。
大王*1のお姿が映る。
YOSHIMOTO DIRECTOR'S 100の一篇、後藤ひろひと監督・脚本、桂あやめ主演作品のCMであった。
baseよしもとにて6月の末あたりに上映されるとの事。
 
続いてあやめさんの二席目。
演目は「私はおじさんにならない」。
おじさん化する壮年の女性の噺。
客席の、その年代の女性もかなり共感されている様子。
あやめさんの等身大の噺ゆえの楽しさ。
 
仲入りの後、ゲストのたい平さん
演題は「七段目」。
普段聴く上方版と違う楽しさも。
お店に帰る若旦那が、交番の巡査と芝居したり、番頭に役者の声色を伝授したり。
若旦那と丁稚の芝居事にも、上方版には無い演出が。
たい平さんは扇子を忘れてきたそうだ。
繁昌亭の売店で購入した千円の扇子を高座で使用。
どなたかに借りようかとしたが、先輩ばかりなので遠慮したという。
言わなければ解らないようなことだけど、舞台で告白。
 
開場前に、天神橋筋商店街の喫茶店に行っていた。
これから繁昌亭へ行かれるらしき方々がおられた。
話のようすでは、関東圏の方のようだ。
たい平さんがお目当てか。
 
あやめさんのトリ。
「口入屋」はネタおろし。
文枝師匠の型で演じたくて、上方演芸資料館文枝師匠のビデオを何度も観返したそう。
あやめさん独自の演出も。
古手屋に新しくお目見えした女衆さんの活躍場面が追加されている。
 

*1:後藤ひろひとさんの別称