『吉の丞進学塾』

『吉の丞進学塾』

 
『吉の丞進学塾』に行く。
 
動楽亭へ。
吉の丞さんが初めて開催する自分の会。
会の名前は、師匠の吉朝さんの会であった『吉朝学習塾』に因んだもの。
自分の会に使うにあたって、師匠の奥さんを始め、兄弟子らにも相談し許可を得たという。
 
ざこばさんから動楽亭を使ってくれと言われて、自分の会を始めた吉の丞さん。
年明けにする予定もあったが、日本各地で行われる米團治さんの襲名興行の出番で忙しかったので、この時期になったという。
 
開場してもお客さんの出足は鈍かったのだが、開演時間がせまるにつれどんどんと詰めかける。
当初は、会場の半分程度しか座布団や椅子が用意されていなかった。
それが、お客さんが沢山来られたことで、椅子席を後ろにずらし、座布団を置く床を増やし、長椅子も追加。側面の障子を外し、そこにもパイプ椅子を置くことに。
 
最初はとま都さん。
演目は「子ほめ」。
師匠をしくじった話をまくらで。
 
吉の丞さんの一席目は「千早ふる」。
吉の丞さん本人がおっしゃるのには、吉の丞さんは意外と、気が弱いのだとか。
本日の会も、あまりお客さんが来ないだろうから、今日配るチラシ類も40人分ほどしか用意していなかったし、客席の用意もそれに準じたものだったのだそう。
これまでも、何度か自分の会を始めようとしたという吉の丞さん。
会場を押さえても、次の日には思い直してキャンセルする、ということを繰り返してしまった。
自分を追い込むしかないと思った吉の丞さん、ちゃんとしたゲストに出番を頼み、三味線さんにも話を通せば、もうやるしかないようになると。
それで、こごろうさんに出演交渉したとまくらで。
 
ゲストのこごろうさん。
演目は「阿弥陀池」。
以前聴いたときより、くすぐりが増えている。
自分に出演依頼が来た裏話を曝露するこごろうさん。
本当は、こごろうさんに話が来る前に、吉弥さんらに断られてから打診が回ってきたのを知っていると。
 
吉の丞さんの二席目はネタおろし。
演目は「天神山」。
雀松さんに習ったネタ。
まだまだ荒削りなのだが、こういう噺をされるようになったのには感激。
まくらでのお話。
吉弥さんに、複数の弟子志願者が来られているのだとか。
吉弥さんの落語会でのお仕事の多い吉の丞さん。
吉弥さんに弟子が出来ると、吉弥さんの落語会へ呼んでもらう機会が減るのではないかと危惧しているそう。