『出没!ラクゴリラ』

千日前国際シネマ

 
『第68回 出没!ラクゴリラ』に行く。
 
普段よりやや少なめの入り。
ワッハ上方ワッハホールでは『文我・宗助 二人会』があったし、多少食い合いしたかも。
 
佐ん吉さんは「始末の極意」。
前半は何度も噛んだり、前の部分に戻ってしまったり。
後半は順調であっただけに残念。
 
花丸さんは「無いもん買い」。
手品師のゼンジー一億さんとのお仕事の話、小学生の前での高座の話のまくらの後本題へ。
 
「おぅおぅ何してんねんな、ビリー」
「オー、ヒロシサン、ヒロシサン」
「何してんねや、こんな天六の交差点で」
「オー、アイアムスタンディング」
「立ってんのかいな、立って何してんのや」
「アイアムスタンディング、アンド、スタンディング」・・・
 
天神橋筋商店街のお店をを北から茶化す歩く設定。
これ「無いもん買い」じゃ無いです。
「ぜんざい公社」のつもりで聴いてみたら、実際は「マキシム・ド・ゼンザイ」であったような感じだ。
しかしこれがすこぶる面白い。
飛び道具のようなネタだけど、楽しくてしょうがない。
 
昨日食べた月見うどんが今一だった。
麺はのびているし、出汁は不味い、オマケに黄身は小さくてへたっている。
今日、別の店で口直しに同じく月見うどんを頼んだら、カルボナーラが出てきた。
コレが大変美味しかった。
例えるなら、そんな感じだ。
 
こごろうさんは「素人浄瑠璃」。
子供のような旦那さんの様子が楽しい。
拗ねて涙ぐんだり、機嫌を直して相好を崩したりする形相の変化が可笑しい。
 
つく枝さんは「七度狐」。
喜六の度重なる散漫な行動へまな言動に対し、切れ気味の清八。
それでも馬の合う二人。
つく枝さんが演じると、喜六が本当に愛すべきアホに見える。
 
生喬さんは「佐々木裁き」。
筋立ての一部に納得いかない箇所があったそうだ。
幾ら子供でも、侍を棒で追ったりするだろうかと。
そこで、市中を見回りする佐々木信濃守と配下の三蔵を、町人に変装させる演出にしていたりした。
二人が町人の風体なら、子供が棒で追うのもまだ有りそう。
この演出だと難点も出てくる。
三蔵が四郎吉の自宅を突き止めて聞き込む際に不都合が生じる。
見た目が町人のままだと、奉行所の御用に見えない。
三蔵が侍の服装に着替えても、別の役人を呼ぶにしても、その時間経過が不自然になる。
そこで今回の工夫は、佐々木信濃守と配下の三蔵は、子供達の御奉行事を、見つからないように検分するだけ。
下級役人役の竹屋の友吉っとんも二人を棒で追うこともなく、佐々木信濃守役の四郎吉も勿論あずかり知らない。
遊びに興ずる子供達は、二人の侍に気付いていない設定だ。
御白砂で、御奉行が、四郎吉に「四郎吉、いや西町奉行佐々木信濃守・・・」と呼び掛ける事で初めて、佐々木信濃守が御奉行事を見届けていたことを四郎吉が察する演出にしている。
生喬さんの答えが、今回のこの工夫だ。
日々研鑽される生喬さん、頭が下がる思いだ。
  

  • 桂佐ん吉     「始末の極意」
  • 林家花丸     「無いもん買い」
  • 桂こごろう     「素人浄瑠璃
  • 桂つく枝      「七度狐」
  • 笑福亭生喬    「佐々木裁き」

 
ワッハ上方へ向かう前、ビックカメラのあたりを通った。
千日前国際シネマでは『寝ずの番』と『半落ち』の二本立て興業であった。