『生喬のスイートテン落語会』

雀のおやど

 
『生喬のスイートテン落語会』に行く。
 
結婚して十年の生喬さん。
10周年を記念して、奥さんへのプレゼントの一つとして企画された今回の落語会。
出演は奥さんの好きな演者さん、その演目も奥さんからのリクエストというもの。
 
お客さんへは、『生野弁天寄席』『生喬まるかじりの会』へ行った人の中からDMにて告知。
チラシなども作られていないシークレットな会。
出演者や演題も予め発表されていないし、パンフレットも敢えて作らないというサプライズ感を大事にした演出。
 
最初に生喬さんのご挨拶。
今回の趣旨などを説明された。
出演交渉の際の苦労とか、裏話なども。
 
一席目はたまさんの連続ショート落語。
たまさんはファックスにて、ショート落語の一覧を生喬さんの奥さんに連絡。
そのリストの中から奥さんによりチョイスされた20タイトルを高座にかける。
あぁ、こういうのがお好みなのか、とか、おぉ、あんなのあったなぁとか、普段とは少し違う楽しみもあったりして。
 
続いてはつく枝さん。
演目は「田楽喰い」。
これをやってほしいと言われて、レパートリーにあったのも忘れていたという程のネタだそうだ。
師匠に教わったが、あまり向いていないなと言われてしまったそうな。
「ん」を言い立てる場面、連発する歌ネタが可笑しい。
 
お次はこごろうさんの「水屋の富」。
大金を手に入れたために、疑心暗鬼に陥り、妄想に苛まれる水屋さん。
ものがなしい噺だ。
生喬さんとはお付き合いの長いこごろうさん。
学生時代から始まり、共に落語家になった頃のお話、奥さんとつきあい始めた時分のあれやこれやも話された。
 
花丸さんは「鉄の誓い」。
『出没!ラクゴリラ』の第一回目で演じた噺。
この噺に登場するおじいさんが、「幸助餅」のおじいさんのルーツであるらしい。(生喬さん談)
 
ここで遊方さんが登板。
生喬さんの奥さんは、現在、遊方さんの噺にはまっているという。
今回の遊方さんの出番はナイショであったようだ。
奥さんへのサプライズだ。
演目は「酔いどれ交番」。
交番の警官と酔っぱらいの絡み、そのスラップスティックぶりが大変楽しい。
 
生喬さんは「ぞろぞろ」。
最初「らくだ」を演じるのかとお客さんに思わせるフェイントを仕掛ける、お茶目な生喬さんであった。
 
噺の後、もう一度生喬さんからのご挨拶。
奥さんも舞台にあげて、会場からの万雷の拍手を浴びてお開き。
 

  • 笑福亭生喬     ご挨拶
  • 笑福亭たま      連続ショート落語
  • 桂つく枝       「田楽喰い」
  • 桂こごろう      「水屋の富」
  • 林家花丸       「鉄の誓い」(原作:佐和良春雄)
  • 月亭遊方       「酔いどれ交番所(作:月亭遊方)
  • 笑福亭生喬     「ぞろぞろ」